2023 September 9-10  

Round 5 OKAYAMA INTERNATIONAL CIRCUIT

Round 5 レポート

セットアップに苦しむも元嶋選手は11位でフィニッシュ。
高橋選手は無念のリタイア

9月9日(土)~10日(日)、岡山国際サーキット(岡山県美作市)でTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupの第5戦が開催された。プロフェッショナルシリーズのエントリー台数は前戦の十勝ラウンドから7台増の39台。

土曜日に15分間の予選、日曜日に12周の決勝というスケジュール。トヨタモビリティ神奈川DTEC TEAM MASTER ONEはレースウィークの水曜日に現地入りし、木曜日から精力的にセットアップをこなしていく。今シーズン、第2戦オートポリスで高橋知己選手(97号車)が3位、第3戦もてぎで元嶋佑弥選手(98号車)が2位と連続表彰台を獲得し、元嶋選手がランキング5位、高橋選手が同8位につけているだけに、好リザルトはもちろんチームの目標であるワン・ツーフィニッシュへの期待も高まる。

土曜日は晴れ。空には青空が広がり、汗ばむほどの天候の下、定刻の11時45分から15分間の公式予選が行われた。元嶋、高橋両選手は予選開始と同時にコースイン。元嶋選手、高橋選手の順にアタックに入る。両ドライバーともにミスのない走りをみせ、元嶋選手は1分47秒006をマークし14番手、高橋選手は1分47秒083をマークし18番手に。セッション後半に2人のタイムを上回るドライバーがいたため、元嶋選手の正式結果は19位、高橋選手は同23位となった。

冷静な走りをみせた元嶋選手は8台抜きの大健闘
高橋選手はアクシデントに巻き込まれリタイア

日曜日も青空が広がる絶好のレース日和。決勝は12周。13時15分、全車がグリッドにつき、元嶋選手19番グリッド、高橋選手23番グリッドからスタート。

予選1位から27位までが1秒以内にひしめく大接戦だけに、スタート直後から白熱したバトルに。オープニングラップからワンメイクレースならではの接近戦が繰り広げられた。元嶋選手は好スタートを決め、混乱の中ポジションをひとつずつ上げていく。1周目に3台をパス、さらに2周目に3台を抜き、13位までポジションを上げるも、多重クラッシュが発生しセーフティカーが出動。そのまま赤旗中断となり、全車ピットロードへ。クラッシュ車両の処理が終わり、レースが再開したのは13時50分。レースは6周目に入っており、13番手のポジションから、上位を狙ってプッシュしていく。そして7周目と11周目にそれぞれ1台をパス。予選順位から8台抜きとなる11番手でチェッカーを受けた。

高橋選手も冷静にスタートを決め、オープニングラップはスタート順位と同じ23位でコントロールラインを通過。しかし、2周目のリボルバーコーナーからバイパーコーナーにかけての区間で発生した多重クラッシュに巻き込まれてマシンが破損。再スタートはできず、無念のリタイアとなった。

予選でセッティングに苦しんだ元嶋選手だが、荒れた展開の中でもベテランらしい落ち着いた走りを披露。ポイント獲得こそならなかったものの、終ってみれば8台抜きという結果を残し、ポテンシャルの高さを披露した。高橋選手もセットアップに苦しんでいたが、練習走行時から着実にタイムアップをしてきただけに、残念な結果となった。

第6戦は鈴鹿サーキットで10月28日~29日に行われる。

race data : Round5
car driver pos. total best lap
97 高橋 知己 retire 2'02.611 2'02.611
98 元嶋 佑弥 11 47'29.083 1'48.829
Drivers' & Staff's Comment
97号車 高橋 知己選手【第5戦 リタイア】

今シーズンはクルマの調子がよく、どのサーキットでも同じセットアップで走れていたので、安心して岡山に臨みました。しかし、いざ1年ぶりの岡山を走ってみると、これまでのバランスとは変わってしまった印象で……。例えば、これまではリアの車高を1㎜変えただけですごい変化量を感じ取れたのですが、今回はそれほど応答がないという状況。そうした中でもチームと相談しながら色々なセットを試しながらセッティングを詰めていった結果、前日の占有走行では12番手のタイムまで上がってきました。ただ、さらにいいセットアップを目指しそうと予選前に変更したのが裏目に出てしまい、なおかつ自分もまとめきれずに23番手という順位に終りました。シーズンを通じて調子がいいレースがあれば、苦しいレースもあるものなので、決勝は追い上げて1ポイントでも獲得できればと思います。

98号車 元嶋 佑弥選手【第5戦 決勝11位】

今回は練習走行時からセットアップに苦しみました。チームのみんなと相談し、セッティングをいろいろ試してみてもクルマの反応がなにも変わらない感じで……。結局、原因が分からないまま予選に突入してしまい、19番グリッドという結果になりました。なかなかスピードが上がらない中、決勝ではひとつでもポイントを獲得できればと、頭を使いながら全力でプッシュしました。タイヤをマネージメントしつつ、水温が下がっているときに勝負して1台1台、確実にオーバーテイクして順位を上げていった感じです。でも11位が限界でしたね。予選でもっと前に行かないとどうしようのないので、次戦はもっと頑張りたいと思います。ところで今回の決勝では2周目に大きなアクシデントが起きてしまいました。自分はちょうど抜きかけの時に起きたクラッシュなのでうまく避けられましたが、すぐ後方にいた高橋選手は避けようがなかったと思います。リタイアとなってしまったのは残念ですが、次戦に向けて頑張りたいと思います。

横田浩之 プロジェクトリーダー

元嶋選手はランキングのこともあるので、予選19番手からポイント圏内の10位以内まで追い上げるのは普通に考えたら厳しいのですが、勝負強さもある選手なので1ポイントでも獲得できればという思いでクルマのセットアップも見直しました。スタートもきまりレース運びなどさすがといった感じです。ポイントは獲得できませんでしたが、色々と厳しい中でよく頑張ってくれたと思います。

高橋選手はアクシデントに巻き込まれるカタチになってしまい残念でした。もちろん悔しさもありますが、レースなのでやむを得ないですね。クルマは破損しましたが、命に別状があるとかそういう状況ではないのでご安心ください。まずは身体をしっかりとケアしてもらいたいと思います。